ごあいさつ
Greeting
2580地区ガバナーのご挨拶
国際ロータリー第2580地区
2024-25年度ガバナー
石川彌八郎
Ishikawa Yahachiro
合言葉「隔たりを取り除き、“ご縁”を大切に」
(序)
ロータリークラブとは「人格を高めようと努力している人たちの集まり」と考えます。人格者とは、人間性、人柄、品性、高潔性、思いやり(付度力)、などを持ち得る人です。では、どのようにして人は人格を高めることができるのか。
「高い低い」とは相対的な概念です。ゆえに、人がたった一人で生きていたのであれば、そこに、高いも低いもありません。そのような環境では、人間性、人柄、品性、思いやり、などを測ること自体が出来ないので、人格を高めるなどという概念は存在しないのです。人格を高めるという概念は、我々が人と人との間で暮らしている、つまり「社会の一員である」ということを認識することから始まります。事実、人間とは「人の間」と書くのです。
我々が「社会の一員である」ということを理解すれば「人間は一人では生きていけない」ことがわかり、そして「お互いに助け合うことの重要性」「相手の立場になって考えること、つまり付度力の重要性」に気が付きます。これはつまり、「職業奉仕」の概念を理解しあうことなのです。しかし恥ずかしながら、僕が「職業奉仕」を理解したのは、入会して三年頃、自クラブでの研修の時でした。もし僕が、そのまま、「職業奉仕」の概念に触れなければ、僕は今頃ロータリアンではなかったことでしょう。
昨今、会員の減少が問題になっていますが、根源はそこにあると考えます。僕は幸いにも、入会三年程度に救われました。しかし、せっかくロータリーに入会しても、「職業奉仕」の概念に触れることなく、その魅力を感じないがゆえに退会してしまった人も多くいたでしょう。それはとても残念なことです。入会三年以内の会員の研修の重要さはそこにあるのです。
「隔たりを取り除き、“ご縁”を大切に」
昨今、ロータリーではDEIが語られています。このDEIの概念は「隔たりを取り除こう」で換言できると考えられます。実は、私が所属する東京福生ロータリークラブが1 9 6 8年に設立した時の会長テーマは「隔たりを取り除こう」でした。50年以上も前のことです。それゆえ、DEIの概念は決して新しいものではなく、むしろ社会の永遠のテーマであると考えるべきです。
初代会長の名は石川弱八郎、私の祖父でした。よって、あえて石川年度の合言葉に使用しました。隔たりを取り除き、ご縁を大切にすることにより、より多くの人にロータリーの魅力を伝え、会員増加を図りたいと考えた次第です。
~付度力(人間力)を高めよう~ 「研修と親睦」そして奉仕ロータリーの魅力の再認識
「付度力」
付度とは、
付度:自分なりに考えて、他人の気持ちをおしはかること。
(新明解国語辞典)
付度:
①相手の気持ちを推測すること。
②有力者などの気持ちを推測し、気に入られるように行動すること
(三省堂国語辞典)
「職業奉仕」は相手の立場に立って仕事をすることです。
「相手に何をさせるのか」ではなく、「相手のために何ができるか」です。
しかし、人は必ずしも要求をすべて表現できるとは限りません。
何が言いたいのかよくわからない人、言いたいことをはっきり言わない人、など。
その際に求められるのが「付度力」です。「思いやりの気持ちをもって、相手が
何を考えているのか、何をしてもらいたいのかをおしはかってください」。それ
が「付度力」です
三省堂国語辞典
命:人や動物が生きて活動するための、おおもとになるもの。
人生:
①この世の中で、人が生きてゆくこと。
②人間の生きている間。
新明解国語辞典
命:
生物が生きている限り持続している肉体や精神の活動を支える根源の包括的な呼称。
(一瞬一瞬生きることの繰り返しとして、捉えられる緊張の持続であり、客観的には有限であるものが、主体的には無限の連続として受け取られるところに、その特徴がある。)
人生:
人間がこの世に生きていくこと、その生き方。
人生意気に感ず。人間は、金銭や名誉のためではなく、自分を理解してくれるひとのあたたかい気持ちに感じて仕事をする(引き受ける) ものだ。
「研修」とは「人格形成」
「研修」とは、「より高い人格者を目指すこと」で、「ご縁」のありがたさと、その意味を考えることで、「職業奉仕」の概念に帰着します。
その思考的経緯は、
・我々は、何かの縁で生まれてきてしまったのは事実だ。では?
・私はなぜ、何のために生まれ、生き、生活つまり仕事をしているのか。
•その思考を繰り返すことにより、自分が社会の一員であることに気づく。
・人は一人では生きていけない、助け合いが必要であることにも気づく。
・自分勝手ではいけない、相手の立場に立って考える、付度力の必要意に気づく。
・社会の一員としての職務、つまり職業を投げ出さずに全うする覚悟を持つ。
・すなわちそれが「職業奉仕」の概念。
・社会の一員であることを認めてもらうことに喜びを感じる。
・さらには、命への感謝を感じる。
•この域まで達すると、ロータリーは単なる奉仕団体ではなくなる。
「命の使い方」考える団体と言ってもよい、ロータリーが「人生哲学」と言われるのはそのためであると思います。これが「研修」です。
この「研修」は、もちろん、地区の研修でも可能ですが、これは僕の経験上、各クラブで行ってもらいたいと考えています。地区の研修は初対面の方もいますます。すると、緊張し、気を使うことになります。一方自クラブでは、心の打ち解けた気の置けない仲間に囲まれる環境なので、じっくりと語り合い、研修を積むことができるのです。「ロータリーはクラブが基本」とする由縁はそこにあるのでしょう。しかし、例会だけではなかなか深い研修の域には達せないので、家庭集会や炉辺会合を積極的に開催し、所属する各クラブの先輩方が後輩に、ロータリーの魅力を語り、後輩の人格形成のためにご尽力いただきたいのです。ナイフは砥石で研けますが、ダイヤモンドはダイヤモンドでしか研けないように、人は人でしか研けないのです。ゆえに、時に先輩方は厳しく語って頂いて結構だと思います。後輩は、上手に受け入れてください。口うるさい先輩やパストガバナーは貴重な存在です。なぜなら、砥石が軟だったら、刃物は研げないからです。しかし、擦り潰してしまったら元も子もありませんが。
「親睦」とは「人格者との交流」
「親睦」とは、「縁あって出会ったロータリアンが交流し、人生や社会や将来を語り、刺激を受けながら、さらに互いに向上し合うこと」と定義付けたいと思います。「朱に交われば赤くなる」「類は友を呼ぶ」。人格者と接することで自己の人格も高まる。これが、ロータリーの魅力です。
ロータリークラブは「人格を高めようと努力をしている人の集団」です。
人格形成にゴールはなく、社会に生きる限り永遠のテーマです。第2580地区は、その人生の永遠のテーマを追究する、崇高な理念を持つ約3,000人が組織する団体です。もし、貴クラブの会員が50名だとすれば、わが地区にはほかに約2,950人の崇高な理念を持ったロータリアンが存在するのです。その崇高な理念を持った人格者と、ちょっとした手続きを踏むことにより親睦することが可能です。これこそロータリーの魅力です。
地区に出てみよう、他クラブにメークアップに行ってみよう。そこには、3000人の人格者が待っているのです。彼らは必ずあなたを磨いてくれるのです。 ところが、地区の役員は300人程度で地区の会員の一割にも満ちません、残りの九割の会員は自クラブだけの出会いで終始してしまいます。何と勿体ないことか。これでは縁と出会いとを活かし、第2580地区に潜在する人格者との懇親が深められない。これはもったいない。そこでお勧めしたいのが、他クラブへのメークアップです。しかし、きっかけがないと、なかなか足が進みません。そこで、行ってもらいたいことが、分区を超えたクラブの合同例会です。近隣のクラブではなく、少し離れたクラブ、普段では接触しないクラブと合同例会を行ってみましょう。
是非、多くの人格者に出会い、懇親を深め、人生について語り、自己を磨いてください。
しかし、人は人を見ています。「人格を高めよう」という志がなければ、相手にしてくれません。せいぜい名刺交換で終わってしまうでしょう。
「親睦」の延長線上の奉仕活動
「親睦」の結果、何が生まれるか。「親睦」とは人格者を目指すロータリアンがお互いに触れあい、人生や社会や将来を語り合うことです。当然、住みよい社会とはどんな社会? 現在の社会の問題は何? なども語られます。具体的な問題が挙がったのであれば、語るだけではなく、行動に移すことが必要です。
これまで我々は、数々の具体的な奉仕活動を行ってきました。地域社会においての奉仕活動、米山奨学生生を通じた民間外交の基礎構築、青少年交換、RYLAなど青少年育成の活動、国際的にはポリオの根絶、等々。ここで気づくことは、これらの奉仕活動は「親睦」により導き出されたものであり、ロータリーが当初 から目的としていたことではなかったということです。
「人格の向上を求めるロータリアンの集合体、つまりクラブ」→ 「ロータリアンの親睦」→「親睦により気づいた社会問題」→ 「具体的な奉仕活動」。「研修と親睦」の融合の結果が「奉仕」であるということです。
ここで重要なことは、「社会は常に変化している」ということです。我々は「親睦」の中で、「社会の変化」を議論し、見極めなければなりません。そしてその変化に応じ、奉仕活動の微調整、あるいは方向転換も必要になるかもしれません。そしてさらに、新たな奉仕活動を行うために、現状の組織の在り方に不都合があれば、そこを改める必要もあります。
すべては「親睦」により導かれる事象なのです。
口ータリーの魅力の再認識「研修と親睦」そして奉仕~付度力(人間力)を高めよう~
「ロータリーの魅力」
「ロータリーの魅力」を要約すると、くりかえしになりますが、高い人格を求める者同士が集まり刺激を受けあい(研修)、人生、社会、将来を語り、社会のために行うべきことを見出し( 親睦)、それを実行する(奉仕活動)。この「研修と親睦」の融合の結果の「奉仕」、これがロータリーの魅力です。この魅力を世に伝えることが会員増加、既存会員に深く浸透させることが退会防止のカギであると考えます。
簡単に言えば、「ロータリーの魅力を感じた人は入会し活動を続け、そうでない人は去り行く」。会員が減るのは、魅力を伝えるのが下手だったからです。
僕がこの世に生まれてきてしまったのは事実です。そこに理由が在るか無いか。理由がないと考えてもよい、でも僕は自分が生まれてきた理由を、生きている理由を考えたい。その機会を与えてくれたのがロータリーせず。だから僕はロータリークラブにいるのです。これがロータリーの魅力です。僕はロータリーに救われた。
THE FOUR-WAY TEST
Of the things we think say or do
1. Is it the TRUTH?
2. Is it FAIR to all concerned?
3. Will it build GOODWILL and BETTER FRIENDSHIPS?
4. Will it be BENEFICIAL to all concerned?
四つのテスト
言行はこれに照らしてから
1. 真実かどうか
2. みんなに公平か
3. 好意と友情を深めるか
4. みんなのためになるかどうか
東京江東ロータリークラブでは、新しい仲間を募集しております。